杉浦康平展@武蔵野美術大学美術館

終了してしまいましたが杉浦康平・脈動する本』へ行ってきました。
私が出向いた日はとても天気が良く、散歩がてら鷹の台駅から歩こうとてくてく始めました。ちなみに武蔵美へ行くのは初めてです。iPhoneもあるし、いくらなんでも駅に看板くらいあるだろうと思っていたところ、鷹の台駅はとても小さな駅でびっくり!それでも学生がたくさん歩いていたので、とりあえずそちらの方面へ歩き出すことに。地図で見ても大丈夫そう。
 
調子よく歩き出すと紅葉の綺麗な並木道が現れちょっと興奮。

 
いったん道を間違い、もう一度地図を確認すると方角的に先程の並木道の方だったので、ウキウキしながら並木道をずんずん進みました。


しかし行けども行けども平行線、ずっと武蔵美を右手に見ながら仕方なく直進し、やっと右に曲がれるとそこは学校の真裏でした。学校の裏側はずーっと塀が続いており、途方に暮れることしばし。美術館はすぐそこなのに、地図で見ても大きな敷地で、進むも戻るもまた同じ距離を歩かなければならないことに少し泣きそうになりましたが、誰もいない畑の中だったので仕方なくもう一度歩き出しました。
 
武蔵美へ行くのに、望まずも苦労したおかげで喜びもひとしお。この旗を目にした時にはつい「やっと!」と声を上げましたよ。

そして会場へ。拡大された本が天井から下がり、ずらりと並べられた本の数々。それぞれ緻密に練られた本を見ていると「脈動する」という感じが伝わってきます。手を触れぬように言われたので、展示してある本を軸にぐるりと顔を動かして舐めるように見る。解説を読んでまた見入る。デザインと技法で表現されている本は、作家の想い、刊行の意図など、語らずとも雄弁でした。
 
私的に特に感動したのは新書で、現代新書の装幀がずらっと並んでいるのを見て改めて感服しました。以前の会社で、現代新書の広告物を担当させていただいていたのですが、新刊のゲラが来るのが楽しみだったなぁなどと懐かしんでみたり。当時担当の方に新書の装幀デザインの話を聞いた時に「やっぱり尽力なんだな」とぺーぺーだった私は強く感じたことも思い出しました。テーマのイラストと惹句が表紙にあり、当然1冊1冊顔が違う本。古本屋で見つけると「おっ!」と近寄ってしまうような本。
 
仕事があり暇がないのはこのご時世幸せなことで、しかしバタバタと時間に追われるばかりでなく、時間を作ってこういうものを観ないといけないな、と思いました。
それにしても私は行くまでに時間をかけすぎましたが。。。