紙漉、再び

1年9ヶ月ぶりに紙を漉いてきました。
普段ならまだまだ寒い2月ですが、この日は春のように暖かく、水がとても心地よく、絶好の紙漉日和!早朝からダッシュした後1本電車を逃してしまったものの、気にしない気にしない。
今回もお世話になったのは埼玉県小川町、紙すきの村〜久保昌太郎和紙工房〜さんです。 

さて、原料(楮)を煮る〜。

 
【チリ取り】↓黒い部分を取り除いていきます。
  
なかなか根気のいる作業ですが、天気が良かったこともあり苦にならず。そして、水があまりに澄んでいる! 水の中でたゆたう楮の美しさに見とれ(動かしているのは自分ですが)、鼻歌など歌いながらつい手が止まりがちになってしまいました。
 
【打解】(体験では手動)
チリを取り除いた楮をひたすら叩きます。二の腕にきます。

柔らかくなったらトロロアオイを混ぜていよいよ紙漉!(いわゆる紙を漉く作業はここからですよ!)

 
【漉く】
少しずつ繊維の層を作っていきます。薄い紙・厚い紙によって漉き方もいろいろあるようですが、何枚も作るので基本的には同じ動作の繰り返し。しかし、気が散漫になったり油断すると即座に失敗してしまうのです。集中力のいる、紙を作る要なところ。
※集中していたこともありこの行程の写真はありません。
 
【水切り】この間にお茶タイム♪
 
天候や紙の厚みなどによって水切り加減を調整します。
 
【干す】天日干しor乾燥機

こちらの乾燥機、お湯で表面を暖めているので、表面に触れたからといってジュッと火傷してしまうような温度ではないのですが、前回の時に見た目から大きなアイロンだなと思い込んでいたので、側に寄るのが怖かったのです。水のイメージが強かった紙漉の仕事って、実は命がけなんだなと。この乾燥機の場所はワビスケの思い込みなのでそれほど危険ではないらしいですが、原料を煮る時に薬品などを使用するため間違えると爆発することもあるとか。やはり危険なお仕事であります。臼と杵での餅つき風景を眺めていても、行き過ぎた想像をして危険アンテナが作動してしまう質なので、ワビスケにとっては打解機も危険かと……。まぁ、ビビリすぎも良くないですね。
 
今回は2回目ということもあり、前回難しくて何度も失敗した行程が以外とスムーズにこなせ、しかし違うところで苦戦したりと進歩があるのかないのか……。
お茶の時間を挟みながら、作業の時間は黙々と紙を漉く。雑念を忘れ、ただ「漉く」という事に集中した1日。体は疲れたけど頭がスッキリした1日でした。
 
後ろ姿をしばし眺める。プロの姿はやはり格好いい。