万年筆

会社を退職し、私が一番最初に買ったもの、それは万年筆でした。
今までにいくらでも購入することはできたはずですが、5000円以上する筆記用具は私にとって「今じゃなくていいか…」という結論になりがちでした。
退職時、お世話になった方々に挨拶状をお送りするのに、ご挨拶はもちろんですが、お礼という意味も込めたかったので手書きで書きました。もともと何百という数ではなく、数十人の濃くお付き合いして頂いた方々へ。字は下手くそなのですが、気持ちといいますか、自分の中でお一人ずつに伝えたい想いがあったので。
便せんや封筒などはお気に入りのお店で吟味し、文章を書く時には一文字ごとに緊張しながら、ものすごく力が入っていたようにも思います。
もともと手紙を書くのは好きなので、大量にレターセットのストックはあるのですが、書くものにこだわったことは無かったように思います。そして、腱鞘炎になるのではないかと思うくらい力いっぱい書いている時にふと思ったことは、私が密かにかっこいいなぁと思っている方々は、皆、万年筆をお使いだなぁと。お手紙や年賀状やその他いろいろ…短い文で、さらっと、時には殴り書きのようでも、私にはかなり響いてくるのです!
もちろん万年筆だからというわけではありませんが、文章を考え、切手を選び…何気なく葉書やお手紙を書いてくださることがうれしいといいますか。
そんな方々は皆さんやはりMy万年筆があるのかぁと思うと、ますます万年筆への憧れが増し、今じゃなくていいと思っていたものは、いま手に入れ入れないと! に変わりました。
しかし、万年筆って本当にピンからキリまでありますよね…。正直何が違うのかよくわからないと言うのもありますし、かっこいいとは思うけれど、いきなり何万円もするものを使うのは違うなという感じがしました。価値が分からないうちは使ってはいけないような気がしまして。
そこで私が購入した万年筆。SHEAFFERの1万円弱のもの。
試し書きをさせていただき、あとは単純にフォルムがシンプルで気に入ったのでこれにしました。最近やっと使い慣れてきた感じです。
やはりボールペンで書くのとは気分が違うような気がします。気のせいかもしれないけれど…
The first fountain pen. 大切に使いたいと思います。